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大腸ポリープとは

大腸ポリープとは

大腸ポリープとは、大腸の粘膜に隆起した組織のことです。大腸ポリープには、腺腫性ポリープ、炎症性ポリープ、過形成性ポリープなどの種類があります。
この中で最も多いのが腺腫性ポリープで、これは腫瘍性です。つまり、治療の対象となります。腺腫性ポリープを放置すると、徐々に大きさが大きくなり、最終的には癌化してしまう可能性があります。

大腸ポリープの症状

大腸ポリープの症状

大腸ポリープは、全く症状がないことがほとんどです。
ポリープが大きくなってくると、便に血が混ざって便潜血検査で陽性反応が出たり、鮮やかな赤い血便が出ることがあります。
まれに、ポリープがかなり大きくなってしまった場合には、腸閉塞などの症状を起こすこともあります。
基本的には、自覚症状がないため、定期的な検査で早期発見することが大切です。

大腸ポリープの原因

大腸ポリープの原因

大腸ポリープができる原因は、遺伝子の異常が関係していると考えられています。
具体的には、大腸の細胞にあるAPC遺伝子に異常が起こると、ポリープができやすくなり、さらにK-ras遺伝子やp53遺伝子の異常も加わると、ポリープががん化すると考えられています。
しかし、遺伝子の異常だけでポリープや大腸がんができるわけではありません。
高脂肪食やお酒の飲み過ぎ、睡眠不足、運動不足、肥満、ストレス、タバコなどの生活習慣の乱れも、ポリープや大腸がんのリスクを高める要因となります。
つまり、遺伝的な要因と生活習慣の乱れが重なることで、ポリープが発生しやすくなると考えられています。

大腸ポリープはどのくらいで
癌化する?

大腸ポリープはどのくらいで癌化する?

基本的には、ポリープの大きさが大きくなるほど癌化のリスクが高まると言われています。5mm以下のものから1cm、3cmと大きくなっていくにつれて、癌を含む率は上昇していきます。
5mm以下の小さなポリープは、ほとんどの場合、経過観察のみで特に治療の必要はありません。しかし、ごく稀に癌が含まれていることもあり、その確率は0.3%から3.4%と言われています。さらに10mmを超えるポリープになると、癌が見つかる確率は10%から30%と高くなります。一般的には、ポリープが大きくなって癌化するまでには5年から10年ほどかかると言われていますが、中には10年間放置していても大きくならないものもありますので一概には言えません。
あくまでも理論上の数値で、実際には個人差が大きいことをご理解ください。

内視鏡検査時の
大腸ポリープの切除

内視鏡検査時の大腸ポリープの切除

当院では、ポリープが見つかった場合は、原則として切除を行なっています。これは、5mm以下の小さなポリープでも同様です。
まずポリープの大きさや形状をしっかりと診断し、その上で内視鏡的な診断も加味し、適切な方法を選択します。
具体的には、5mm以下の小さなポリープの場合は、「コールドスネアポリペクトミー」という方法を用います。これは、スネアと呼ばれるワイヤーでポリープを捕らえ、電気を使わずに切除する方法です。出血のリスクが低く、安全性が高いのが特徴です。
5mm以上のポリープの場合は、「ポリペクトミー」や「EMR(内視鏡的粘膜切除術)」を行います。ポリペクトミーは、スネアでポリープを捕らえ、高周波電流で焼き切る方法です。EMRは、ポリープの周囲に生理食塩水を注入して粘膜を持ち上げ、スネアで捕らえて切除する方法です。
さらに、20mm近くになる大きなポリープに対しては、「ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)」も行っています。ESDは、特殊な器具を用いて粘膜下層を剥離し、ポリープを切除する方法です。大きなポリープでも、一度に切除することができます。
このように、当院では様々な切除方法に対応することで、患者さん一人ひとりに最適な治療を提供できるよう努めています。

ポリープ切除後の注意点

食事について
  • 翌日までは胃腸に負担をかけない消化の良い食事を心がけましょう。
  • アルコールや刺激物は控えるようにしてください。
  • 繊維の多い野菜や果物は避けましょう。
運動について
  • 手術当日と翌日は運動を控えましょう。
  • 2日以降は、今までしていたような運動であれば問題ありません。
  • 海外出張など、長時間の移動を伴う予定は術後2〜3日以降にしましょう。
入浴について
  • 当日は長湯を避け、シャワーのみで済ませましょう。
  • 翌日以降は入浴しても構いませんが、サウナは避けましょう。
薬について
  • 薬は医師の指示に従って服用してください。

腹痛や出血など、気になる症状がある場合は、すぐに医師に相談しましょう。

大腸ポリープは
とらなくてもいい?

大腸ポリープはとらなくてもいい?

大腸ポリープは、2mm、3mmといった小さなポリープであっても、腺腫性ポリープと診断された場合は、積極的に取るべきであると考えています。

日本の内視鏡学会では、5mm以下のポリープは経過観察を容認としていますが、患者さんが次にいつ検査を受けてくれるか分かりません。また、腺腫は急に大きくなることもあり、5mm以下のポリープであっても、0.3%~3%に癌が含まれている可能性があると言われています。

患者さんにとって、将来「あの時取っておけばよかった」と後悔することのないよう、やはり小さな大腸ポリープでも取るべきであると考えています。

もう一つ、私の考えとして、5mm以下のポリープ、2mmや3mmのポリープもしっかり見つけようという気持ちが、ADR(腺腫発見率)を上げることになります。ADRを上げることによって、PCCRC(術後大腸癌)を抑制することができます。PCCRCとは、大腸内視鏡検査後、一定期間に大腸がんが発見された場合を指します。これは、検査で見逃されたポリープが原因で発生するケースも含まれます。PCCRCを減らすためには、小さなポリープも見逃さないよう、注意深く観察し、積極的に切除することが重要です。

もちろん、最終的な判断は患者さんと医師との相談の上で行われるべきですが、ポリープを取るという選択肢が患者さんにとって最善の利益につながるよう、今後も研鑽を積んでいきたいと思います。