京都・伏見 みずもと内視鏡・消化器内科クリニック

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炎症性腸疾患(IBD)とは

IBD診療

難治性の腸疾患

炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease:IBD)は、腸粘膜を中心に炎症性変化(びらんや潰瘍)を形成する原因不明の難治性疾患です。厚生省の特定疾患にも指定されおり、潰瘍性大腸炎とクローン病の2病変の総称です。

院長のIBD診療経験

二人三脚で病気に向き合う

京都医療センター勤務30年の間に潰瘍性大腸炎400人、クローン病100人以上を診察してきました。
若くて発症する炎症性腸疾患の患者様とは長い付き合いとなり、30年以上付き合っている患者さんも多くおられます。
基本的に患者-医師関係が重要で二人三脚で治療を継続しています。
以前は、病状が再燃増悪すると入院にて絶食、点滴、ステロイド投薬の治療法しかなく、
多くの患者様が増悪のたびに入院し、時に炎症がコントロールできないこともあり準緊急的に外科切除になる患者様もおられました。
当時は、入院施設のない診療所では炎症性腸疾患(IBD)診療ができない状況であったのは事実です。
しかし、医療の進歩とともに、免疫を抑える薬の種類が増え、外来でのフォローができるようになりました。
当初は注射薬が中心に市販されていましたが、最近では内服薬も多く市販されるようになり、
1日1回の内服で、飲み忘れも少なく、非常に効果のある薬が沢山でています。
その甲斐もあって、最近では、手術に至る症例はほとんどありません。
入院症例も本当にすくなくなり、外来でフォローできる疾患となっています。
今回、開業にあたり、共に二人三脚で炎症性腸疾患(IBD)患者さんと病気に向き合っていく所存です。
臨床的寛解だけでなく、完全粘膜寛解、組織学的寛解を目指して診療に携わろうと思っています。
勿論、増悪して入院が必要な場合には連携病院として京都医療センターや他の基幹病院に、紹介させて頂きます。

当院でのIBDの考え

IBD診療

寛解維持を目指します

IBDは若くして発症し、排便回数増加、下痢、粘血便を認め、QOL(Quality of life:生活の質)が著しく低下する疾患です。IBDと診断されると、完治することはありません。炎症をいかにコントロールして、早く寛解導入(良い状況する)にもっていくか、いかに寛解維持(良い状態を続けるか)を続けるかが大事な治療ポイントになります。そのためには、まず疾患の理解が必要です。当院では初回時には病気の説明からはじめ、今後の経過や治療方法、食事や日常生活の指導を行います。病状が悪い時には1〜2週間隔で受診が必要になりますが、落ち着けば2〜3ヵ月間隔で受診も可能となります。
当院では定期的な対面診療の一部をオンライン診療に切り替えて、利便性の向上を図る工夫もしています。 患者様と二人三脚で病気と長く付き合っていく方針で診療しています。増悪時には遠慮なく再診して頂けるようにWEB予約またはLINE予約、24時間自動音声予約(電話)も導入しています。
長期間にわたり治療が必要ですので、転居や転院の際には必ず専門医を紹介して診療が途絶えないように配慮させて頂きます。勿論、医師-患者関係がうまくいかないような場合にも、残念ではありますが、他の専門医を紹介して治療が中断されないように配慮します。 完治する病気ではないことを理解してもらうと共に、スタッフと一丸となり、診療に携わる気持ちです。潰瘍性大腸炎やクローン病と診断された患者様は一度、相談して頂ければ幸いです。

IBDと大腸内視鏡

必要に応じて内視鏡検査を実施

IBD診療において内視鏡検査は必須です。
診断時には勿論必須となりますが、増悪時にも必須となります。炎症の程度と範囲を診断することで、治療方針が変わるからです。
ただ、寛解時にはむやみに内視鏡検査を勧めません。
内視鏡検査は大腸がんの好発年齢になった場合や、全大腸炎型で6年以上経過している患者様以外には、むやみに内視鏡検査を勧めていません。
誰しも、頻回の内視鏡検査は好みません。必要時に適切な内視鏡検査が、安心・安全・確実な内視鏡検査につながると思っています。

主な疾患

IBD診療

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎は炎症性腸疾患の一つで、大腸の粘膜に炎症が起きることによりびらんや潰瘍ができる原因不明の慢性の病気です。主な症状としては、下痢や血便、腹痛、発熱、貧血などがあります。また、さまざまな合併症が発現することがあります。 潰瘍性大腸炎の診断では、内視鏡検査やX線造影検査、病理組織検査などを行います。特に内視鏡像で、大腸の粘膜に下記のようなびらんや潰瘍がみられることが特徴です。 潰瘍性大腸炎は、難病に指定されていますが、適切な治療をして症状を抑えることができれば、健康な人とほとんど変わらない日常生活を続けることが可能です。

クローン病

クローン病は炎症性腸疾患の一つで、主に小腸や大腸などの消化管に炎症が起きることにより、
びらんや潰瘍ができる原因不明の慢性の病気です。
主な症状としては、腹痛、下痢、血便、発熱、肛門付近の痛みや腫れ、体重減少などがあります。
また、さまざまな合併症が発現することがあります。
クローン病は、難病に指定されていますが、適切な治療をして症状を抑えることができれば、
健康な人とほとんど変わらない日常生活を続けることが可能です。