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食道がんとは

食道がんとは

食道は、解剖学的に咽頭と胃の間をつなぐ管状の臓器です。組織学的には食道壁は三層構造になっており、最も内側の層を粘膜といいます。この食道の粘膜から発生するがんを食道がんと言います。がんが粘膜内にとどまるものを早期食道がん、粘膜内から粘膜下層までのものを表在食道がん、筋層以上に深く浸潤したものを進行食道がんと呼びます。

食道がんの症状

食道がんの初期にはほとんど自覚症状がないのが一般的です。
がんが進行するにつれて、胸の違和感、胸部不快感、食べ物や飲み物がつかえる感じ、
体重減少、胸や背中の痛み、咳、声のかすれなどの症状が現れることがあります。
咳が出る場合でも、風邪のような一般的な咳とは異なり、他の症状と組み合わさって現れるため、
風邪とは区別されることが多いと考えられます。
また、熱いものを飲み込んだ時にしみる感じも食道がんの症状の一つです。
もし、気になる症状があればお気軽に当院までご相談ください。

食道がんの原因

食道がんの原因

食道がんの主な要因はタバコとアルコールです。特にアルコールに関しては、遺伝的にアルコールを代謝しにくい人、いわゆるフラッシャー(飲酒後に顔が赤くなりやすい人)はリスクが高いと言われています。これは、アルコールの代謝によって生じるアセトアルデヒドが発がん物質であるためです。フラッシャーの人が喫煙もすると、さらに危険性が高まります。
その他、熱い食べ物や飲み物を好む習慣も食道がんのリスクを高めることが報告されています。和歌山県では、熱い茶粥を食べる習慣のある地域で食道がんが多いという報告もあります。辛いものは直接的な原因とは考えられていません。

食道がんのステージ

食道がんのステージは、がんの進行度を示すもので、0期から4期までの5段階に分類されます。
このステージは、がんの深さ、リンパ節への転移の状態、他臓器への転移の有無によって決定されます。

  • ステージ0
    がんが粘膜内にとどまり、リンパ節転移がない状態
  • ステージ1
    がんが粘膜下層まで進んでいるもののリンパ節転移がない状態
  • ステージ2・3
    進行がんの状態
  • ステージ4
    切除不能な状態

食道がんは何科でわかる?

食道がんは何科でわかる?

食道がんは基本的に消化器内科で診療が行われます。診断には、胃カメラ(内視鏡)検査、食道造影検査、CT検査、PET-CT検査などが行われ、これらの検査結果に基づいてステージ分類が行われます。治療は、消化器内科医を中心に、外科医、放射線科医、腫瘍内科医などが連携して行われます。

食道がんの生存率は?

食道がんの5年生存率はステージによって大きく異なります。
早期に発見できれば5年生存率は75%以上とされています。
遠隔転移がある場合(ステージ4)の5年生存率は約20%です。

生存率の全国集計
ステージ1  76.8% 
ステージ2 62.7%
ステージ3 41.2%
ステージ4A 22.6%
ステージ4B 20.0%

食道がんを自分で
チェックするには?

食道がんを自分でチェックするには?

食道がんを自分でチェックするための明確な方法はありませんが、以下のような症状に気づいたら医療機関を受診することが重要です。

主な症状

  • 食べ物や飲み物を飲み込む時に違和感がある
  • 熱いものを飲み込んだ時にしみる感じがある
  • 食べ物や飲み物がつかえる感じがある
  • 声がかすれる
  • 原因不明の咳が出る
  • 体重が減ってきた
  • 家族に食道がんになった人がいる場合も注意が必要

食道がんになりやすい人

食道がんになりやすい人の特徴

  • タバコを吸う習慣がある人
  • 飲酒の習慣がある人
  • アルコールを飲むと顔が赤くなる人
  • 頭頸部がんの既往がある人
    (咽喉頭などの癌)
  • 50歳以上の人
  • 熱い食べ物や飲み物を好んで食べる人 など

食道がんの検査方法

  • 内視鏡検査(胃カメラ)
    特殊な光(NBI、BLI、LCIなど)を用いて食道粘膜を詳細に観察し、
    がんが疑われる病変があれば組織を採取して顕微鏡で調べます。
  • バリウム検査(食道造影検査)
    バリウムという造影剤を飲んで食道の状態をX線で確認し、壁の硬さや変形などを調べます。
  • CT検査・PET-CT検査
    がんの広がりやリンパ節転移、遠隔転移の有無を確認し、病気の進行度(ステージ)を決定するために行われます。PET-CT検査は特にリンパ節転移や遠隔転移の診断に有用です。

食道がんの治療方法

  • 内視鏡的切除
    早期の粘膜内にとどまるがんで、リンパ節転移がない場合に選択されます。
  • 外科的切除(手術)
    胸部を大きく切開する方法や、胸腔鏡を用いた手術などがあります。
  • 放射線治療
    放射線腫瘍科医の診察を受けて治療方法が決定されます。
  • 薬物療法
    (化学療法・抗がん剤治療)
    主に5-FUとシスプラチンを組み合わせた化学療法が一般的に行われます。一次治療の効果がない場合には、免疫チェックポイント阻害剤やドセタキセル、パクリタキセルなどの抗がん剤が使用されることもあります。
  • 緩和ケア
    食道が狭窄している場合には、ステント治療が行われることがあります。

逆流防止食道ステントは院長の水本が特許を取得し開発した逆流防止食道ステントです。
食道狭窄によるつらい症状を改善するための重要な選択肢の一つとして、多くの患者様の治療に貢献しました。
医療技術は日々進歩しており、それに伴い治療法や医療機器の役割も変化しています。
みずもと内視鏡・消化器内科クリニックでは、常に最新の医療知識と技術を取り入れ、
患者様一人ひとりに質の高い検査を提供できるよう努めております。
気になる症状があれば、お気軽に当院までご相談ください。